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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻10号

1985年10月発行

文献概要

原著

Klippel-Weber症候群,Sturge-Weber症候群および乳糜胸を合併した色素血管母斑症の1例

著者: 松川中1 中川和代2 森田博2

所属機関: 1水戸赤十字病院皮膚科 2東京大学医学部小児科教室

ページ範囲:P.891 - P.895

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 9歳,女子.生下時より,ほぼ全身に紅色斑散在.2カ月時に左牛眼と乳糜胸を指摘される.2歳時に右上下肢の痙攣発作.4歳時に乳糜胸および腹部リンパ管腫の手術施行.5歳時に発作性の意識消失と右上下肢の麻痺.現症および検査所見:紅色斑以外に躯幹に蒙古斑様背色斑および右大腿に褐色斑が散在.紅色斑は病理組織にて単純性血管腫の像を呈していた.両眼球鞏膜に青色斑あり,左眼に牛眼を認めた.両手および両大腿の左右の長さが異なっていた.CTスキャンおよびCAGにて両側頭から後頭部に,一部に石灰化を伴ったangioma patternを認めた.以上の所見より,Sturge-Weber症候群,Klippel—Weber症候群および乳糜胸を合併した色素血管母斑症と診断した.自験例は長谷川らの分類ではNb型に相当する.自験例および本症について若干の考按を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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