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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻10号

1985年10月発行

文献概要

原著

Corticosteroid内服で誘発されたSenile Sebaceous Hyperplasiaの2例

著者: 茶之木美也子1 泉谷一裕1 濱田稔夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.897 - P.902

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 Prednisolone内服によって誘発されたsenile sebaceous hyperplasiaの2例を報告した.
 症例1:83歳,男.Bullous pemphigoid治療のため,prednisolone1日30mgを2週,25mgを2週内服後,顔面に中心臍窩を持つ黄色調を帯びた丘疹,小結節が出現した.Pred—nisolone中断と共に皮疹は消褪した.原疾患増悪のため内服再開後,皮疹は再び出現した.症例2:64歳,男.Sarcoidosis治療のため,prednisolone1日40mgを1.5カ月内服後,顔面に黄色調の小丘疹が出現してきた.病理組織像はいずれも中央に角質を入れ開大した毛包があり,その周囲に多数の成熟した脂腺がブドウ房状に増生していた.Corticosteroidの脂腺への作用機序は十分解明されていないが,1)直接,脂腺細胞を刺激する,2) metabolicderivativesが脂腺増生を促す,3) androgenic hormoneが脂腺に作用するのを助ける,もしくは増強する,の3つの可能性が考えられ,2),3)の可能性が強いように思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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