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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻11号

1985年11月発行

原著

Clear Cell Sarcoma of Tendon and Aponeurosisの1例

著者: 月永一郎1 熊切正信1 安田秀美1 国分一郎1 杉原平樹2 吉本正典3

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科教室 2北海道大学医学部形成外科教室 3総合病院網走厚生病院外科

ページ範囲:P.985 - P.989

文献概要

 Clear cell sarcoma of tendon and aponeurosisは軟部腫瘍の中で比較的稀な疾患であり,その組織発生論についても多くの論議がある.症例は51歳,主婦.昭和52年頃より出現してきた右手関節部の腫瘍を主訴に受診.受診時は胡桃大,下床,腱との癒着を認める.組織学的には胞体の明るい大きな細胞が島状あるいは小葉状に増殖する.腫瘍細胞は円形の核を持ち,核小体も1〜2個みられ,核分裂像も散見される.S−100蛋白を用いたPAP法では大部分の腫瘍細胞が陰性であった.電顕像では,明るい細胞と暗い細胞の2種類よりなり,粗面小胞体の発達はよく,細胞間は密に接着している.基底板ないしメラノソームもなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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