原著
モノクロメーターによる全身性エリテマトーデスの最少紅斑量の測定
著者:
二瓶義道1
石川治1
石川英一1
所属機関:
1群馬大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.91 - P.99
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Monochromatorを用いて,全身性エリテマトーデス(SLE)患者の最少紅斑量(MED)を測定した.正常人63名について,各波長域ごとに,照射エネルギー量に対する紅斑反応の累積陽性率を求め,プロビット変換してMEDの正常値を求めた結果,285,295,305,315nm域で類似したMED値を示した.SLEでは,最低1波長域におけるMED低値例は,被験症例46例中19例(41%)の高率にみられ,とくに,いわゆるeffectivespectrumである295nmおよび305nm中心域で低下が顕著であった.MED低値は,臨床的光線過敏性と有意に関連性を示し,また低値例では,DLE様皮疹を呈する例が多い傾向がみられた.なお,MED低値は,皮膚筋炎でも高率にみられ(42%),汎発性鞏皮症でも28%に認められた.このことから,MEDの低下で表現される,いわゆる光線過敏性は,膠原病に共通した所見の1つであると考えられた.