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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻2号

1985年02月発行

原著

5-Fluorocytosineによる日光過敏症の1例

著者: 林部一人1 長谷井和義1 市橋正光1

所属機関: 1神戸大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.101 - P.104

文献概要

要約 62歳,男,左第4指爪郭部に原発するリンパ管型スポロトリコーシスに罹患.ヨードカリ内服を開始したが,全身に毒麻疹が生じた為,5-fluorocytosine(5-FC)内服を試みた.6.0g/日より漸増し,48日後,総量344g投与時,日光曝露部に瘙痒を伴う,びまん性浮腫性紅斑が生じた,また,手背には米粒大小水疱の発生もみた.Phototestの結果,MEDはSE lampで15秒(30mJ/cm2)以下と低下し,BLB lamp 5分間照射(1.5J/cm2)で紅斑が生じた.5KW xenon lampを光源とするモノクロメーターによる作用波長検索では300〜370nm領域に連続してMEDの低下をみた,5-FC内服中止7日目に皮疹消褪し,MEDも正常に回復した.皮疹完治後,誘発試験のため遮光下にて2日間,5-FC 4g/日服用,次いで日光に曝露させたところ,5〜6時間後に,曝露部に瘙痒性浮腫性紅斑が発生,約7日間持続した.以上の経過より,本症例をphotoallergicな機序に基づく5-FCの日光過敏型薬疹と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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