icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻2号

1985年02月発行

文献概要

原著

腰背部に局在し多発した表在性基底細胞上皮腫の1例

著者: 戸倉新樹1 深水秀一1 井上邦雄1 吉国好道1 山田瑞穂1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.139 - P.143

文献購入ページに移動
 41歳,女性.4,5年前より,下背部正中に自覚症状のない皮疹がみられ,徐々に拡大し,円形の局面を作るようになった.患者は自覚していなかったが,その他に,その円形の局面を中心として,多数の丘疹,あるいは点状小丘疹ないし点状褐色斑が腰背部にみられていた.組織学的には,円形局面も,その周囲の丘疹も表在性基底細胞上皮腫であったが,円形局面からより離れた場所の点状皮疹はlentigo様であった.砒素摂取歴,放射線照射歴はなく,多発性基底細胞母斑症候群にみられる様々な異常も認め得なかった.多発型表在性基底細胞上皮腫の既報告例と比較し,皮疹数,皮疹の分布様式において相違点を有すると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?