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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻2号

1985年02月発行

原著

特発性陰嚢石灰沈着症の2例

著者: 井上俊一郎1 青木重信1 鈴木正之1 加藤英行1 北島康雄1 矢尾板英夫1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.161 - P.164

文献概要

要約 37歳,23歳の男性にみられた特発性陰嚢石灰沈着症の2例を報告した.発症はそれぞれ4年前,5年前で,陰嚢の小結節がしだいに増大かつ増加した.それぞれ陰嚢湿疹,瘙痒感を伴っている,2例とも血中カルシウム,リンは正常範囲内.真皮内に大小の石灰沈着巣が多数認められ,その中には組織化学的にヘパリチン硫酸の存在が考えられた.また,その周囲には嚢腫壁は認められず,脱顆粒した多数のマスト細胞と異物巨細胞を伴う異物反応とが認められた.異物反応は初期と思われる顆粒状ないし結晶状の石灰沈着部位に多く,完成された均質な塊状物周囲にはほとんど認められなかった.すなわち,何らかの修飾によって沈着物の異物性が失われるものと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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