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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻3号

1985年03月発行

文献概要

原著

先天性表皮水疱症における血清および水疱液のCarcinoembryonic Antigen

著者: 田崎理子1 橋本功1 花田勝美1 佐藤静生1 三橋善比古1 帷子康雄1

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.189 - P.193

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 先天性表皮水疱症10例(単純型2,萎縮型1,優性栄養障害型3,劣性栄養障害型4),類天疱瘡4例,水疱型薬疹1例について,血清および水疱液のcarcinoembryonic anti—gen (CEA)を測定した.血清CEAは単純型2例中1例,劣性栄養障害型4例中3例で高かった.本症の血清CEA上昇について,①重症度との相関,②病的劣性遺伝子との連鎖,あるいは,③同遺伝子の多面効果などの機序が考えられている(Rochman,1979)が,今回の成績からは②,③が否定され,①の機序のみが妥当と考えられた.水疱液CEAは優性および劣性栄養障害型で高値を示した.水疱液CEAは症例の重症度や血清CEA量との間に相関はなく,水疱採取部位のエクリン汗腺密度との間に有意の正相関を示すとともに,真皮内(電顕的基底膜の直下)に水疱を形成する病型において高値傾向が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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