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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻3号

1985年03月発行

原著

皮膚扁平上皮癌を併発した臀部慢性膿皮症—1剖検例の報告と文献的考察

著者: 長尾貞紀1 佐藤紀夫1 薗田紀江子1 高橋若子1 飯島進1 浅野重之2 若狭治毅2

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科講座 2福島県立医科大学第一病理学講座

ページ範囲:P.221 - P.226

文献概要

 皮膚扁平上皮癌を併発した腎部慢性膿皮症の1例を剖検所見を含め報告し,簡単な文献的考察を行なった.症例は58歳,男.40歳頃より臀部に硬結・膿瘍・瘻孔・肥厚性瘢痕を生じ,18年後瘻孔部にgrade 2の扁平上皮癌を併発した.59歳時死亡し,剖検にて両肺と右鼠径リンパ節に転移巣を認めた.同様の症例は文献的にいろいろな標題で報告されているが,これまでに本例を含めて男22,女1,合計23例が数えられる.その平均年齢は53歳で,癌の組織型はすべて高分化型の扁平上皮癌を示しており,癌発生までの臀部膿皮症の罹病期間は平均23年であった.転移のあったものは4例(17%)で原発性皮膚扁平上皮癌の転移率(3%)に比し高率であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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