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原著
黒色調丘疹を呈した尖圭コンジローム—PAP法所見も含めて
著者: 木村俊次1 岩本昭雄
所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
ページ範囲:P.227 - P.231
文献購入ページに移動 33歳,男子.陰茎に8カ月来黒色調丘疹の形で3個生じた尖圭コンジロームの1例を報告した.臨床的にbowenoid papulosisを疑診したが,組織学的には尖圭コンジロームの定型像を示し,有棘層上層の表皮細胞核周囲に顕著な空胞化をみた.病変部のメラニン色素増加は臨床的色調と対応すると思われた.また乳頭腫ウイルスに対するPAP法をパラフィン包埋切片について行なったところ,顆粒層の表皮細胞核に一致して陽性所見を得た.尖圭コンジロームの特異な臨床型について文献的に考察し,ウイルス学的検索を応用した,尖圭コンジロームの概念の再検討の必要性を指摘した.
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