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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻3号

1985年03月発行

原著

飼ネコが感染源と考えられたTrichophyton mentagrophytes白癬の家族内発生例

著者: 西沢慶昭1 高橋伸也1

所属機関: 1秋田大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.249 - P.254

文献概要

要約 生後1カ月の雑種仔ネコを飼い始めて1,2週間たった頃より,飼主(21歳,女性)の顔に瘙痒性紅斑が出現し,徐々に体幹・四肢に増数,同居している母親,叔母にも同様の症状が出現した.3人の患者の紅斑部鱗屑よりT. mentagrophytesを培養・同定し,飼ネコを調べたところ明らかな皮疹を認めなかったが,頭毛をKOH法で鏡検したところ毛外性類小胞子菌寄生を認め,培養にてT. mentagrophytesと同定した.ネコのT. mentagrophytes感染は稀であり,ヒトへ感染させたとの症例報告は本邦で自験例を含め5例であった.動物のT. mentagrophytes感染では,動物の種類によって自験例のごとく明らかな皮膚病変を示さないこともあるので,感染源として動物を検査する場合にはこのことを念頭に入れておくことが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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