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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻4号

1985年04月発行

文献概要

原著

慢性関節リウマチ,シェーグレン症候群に合併した多発性滑液包炎の1例

著者: 大山克巳1 籏野倫1 西海正彦2 横井秋夫3 松田章宏4 徳永信三4

所属機関: 1国立東京第二病院皮膚科 2国立東京第二病院内科 3国立東京第二病院整形外科 4会津中央病院皮膚科

ページ範囲:P.345 - P.349

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 51歳,女子.RA,シェーグレン症候群に合併した,四肢および背部に多発かつ巨大化した滑液包炎の1例を報告した.皮疹は20×21mmから77×120mmの種々の大きさの嚢腫であり波動を触知した.切開を加えると,黄白色,多量の滲出液とともに米粒大から小豆大,淡黄色の小物質が多数出現し,嚢腫内壁には暗赤色絨丘状の滑膜増殖が著しく深部へと連続していた.組織学的に,RAによる滑膜炎と同一の所見を示し,大高の分類による第2型と第3型に該当する.その他興味ある組織学的変化として,泡沫細胞の増殖およびリウマチ結節を思わせる所見も認められた.自験例のように滑液包炎が巨大化した理由として恒常的な機械的刺激の関与が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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