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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻6号

1985年06月発行

原著

悪性化(ボーエン状態)した汗孔角化症の1例

著者: 向井秀樹1 鶴町和道1 木村康隆1

所属機関: 1鹿島労災病院皮膚科

ページ範囲:P.497 - P.501

文献概要

 71歳,男.40年前より四肢に汗孔角化症がある.10年前より,右下腿内側部の皮疹が黒色調となる.同部の組織像にて,病巣辺縁部にcornoid lamellaを認め,中央部は表皮内癌の所見がみられた.しかし,明らかなclumping ccllsや空胞化細胞は認められず,汗孔角化症より生じたボーエン状態と考えた.汗孔角化症の悪性化は,我々が調べえた限り現在まで19例の本邦報告例がある.そこで,これらをまとめ若干の統計的考察を加えた.さらに,下肢の汗孔角化症および表皮内癌の組織像にて,真皮上層に多量のアミロイドの沈着をみた.このアミロイドは,DAKO社の抗ケラチン抗体およびDACM染色によるS-S結合が陽性となったことより,表皮細胞由来のものと考え,続発性皮膚限局性アミロイドーシスと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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