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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻6号

1985年06月発行

文献概要

原著

Malignant Histiocytosisの1例

著者: 高橋祥公1 小林仁1 磯部宏2

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科教室 2北海道大学医学部第1内科教室

ページ範囲:P.503 - P.507

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 64歳,男性.初診の約4カ月前から四肢に紅斑が出現し,次第に拡大して結節,潰瘍を伴ってきた.同時に全身倦怠感,発熱が出現してきた.諸検査で汎血球減少症,肝脾腫が認められ,初診の1カ月後にDICを併発して死亡した.組織学的には腫瘤形成のない組織球様の大型の異型性に富む細胞がびまん性に浸潤しており,電顕でそれらの細胞はlysosome, phagosomeが存在し,細胞内小器管が豊富であり組織球由来であることが確認された.以上の所見より,malignant histiocytosis (MH)と診断した.最近,MHはT-zone組織球由来(S−100蛋白陽性)であると報告されているが,本症では陰性であった.MHは類似する症状を呈する一群の疾患を独立した疾患単位として提唱したものであり,単一の疾患とするには今なお問題が多いと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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