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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻7号

1985年07月発行

文献概要

原著

壊死性遊走性紅斑を伴ったグルカゴノーマ症候群

著者: 藤本亘1 仁熊三葉子1 赤木芳文1 小玉肇1 野原望1 高倉範尚2

所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科教室 2岡山大学医学部第一外科教室

ページ範囲:P.565 - P.570

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 44歳,男性.壊死性遊走性紅斑を初発症状としグルカゴノーマ症候群と診断し得た1例について報告した.昭和51年頃より顔面,下腿に紅斑が出没するようになり,徐徐に拡大.皮疹は陰股部,腎部,両下肢,顔面に多発し,辺縁に鱗屑,痂皮を付着する環状ないし地図状紅斑が主体で,びらん,小水疱,紅色丘疹なども認められた.皮膚組織学的検索にて壊死性遊走性紅斑と診断.血中グルカゴン高値,低アミノ酸血症あり,アミノ酸輸液にて皮疹の消褪を認めた.本院第一外科に転科し膵glucagonomaを摘除後,血中グルカゴンおよびアミノ酸の正常化をみ,皮疹は完全に消褪した.グルカゴノーマ症候群の本邦報告例をまとめ,皮疹発生機序について文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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