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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻7号

1985年07月発行

文献概要

原著

著名なElimination現像を示したNecrobiosis Lipoidicaの1例

著者: 清島真理子1 桑原まゆみ1 米田和史1 森俊二1 北島康雄2

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科教室 2自治医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.571 - P.575

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 51歳,男性,初診の約8カ月前から右下腿伸側に大豆大の結節が生じ,中央が崩れて浅い潰瘍となり,寛解,悪化を繰り返していた.皮疹は19cm×10cmの黒褐色,萎縮性の局面で,辺縁の一部に堤防状隆起と小潰瘍がみられた.また,境界型糖尿病を伴っていた.組織学的に真皮全層に膠原線維の軽度の染色性の低下がみられ,また血管周囲にリンパ球,組織球,形質細胞の浸潤がみられた.血管壁の肥厚は軽度であった.一部では,弾力線維を含む変性した膠原線維の経表皮排出像がみられた.インスリン湿布によって皮疹は軽快した.Necrobiosis lipoidicaの本邦既報告例66例中に本例のようにelimina—tion現象を伴った報告はなく,本例は興味深い症例であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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