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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻7号

1985年07月発行

文献概要

原著

リンパ本幹系異常に基づく皮膚リンパ管拡張症

著者: 浅野翔一1 宮崎孝夫1 遠藤秀彦1 津田道夫2

所属機関: 1兵庫医科大学皮膚科教室 2宝塚市立病院皮膚科

ページ範囲:P.601 - P.607

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 40歳,男性.約20年前,陰嚢部打撲後,同部の皮膚に白色調の小水疱様皮疹が生じ,その後,皮疹は増数,増大し,破れると乳ビ様液が漏出するようになった.また,いつしか四肢末端部皮膚に軽度の角化性肥厚が出現した.リンパ管造影により後腹膜のリンパ管ならびにリンパ節の増加が確認された.この所見はlymphographicalにcentrallymphatic hyperplasiaと称されるものである.以上の所見から本症例は先天的なリンパ管系の異常に基づく潜在的なリンパの還流障t害が想定され,陰嚢部にリンパ管拡張が生じたのは打撲が一つの契機になった可能性が推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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