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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻8号

1985年08月発行

文献概要

原著

背部に生じた乳房外Paget病の1例

著者: 稲田修一1 功野泰三1 酒井伊勢子1 島本順子1 木下三枝子2 高石雅敏3 横山寧恵4

所属機関: 1県立広島病院皮膚科 2木下皮膚科医院 3広島大学医学部第2内科教室 4広島大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.685 - P.691

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 未だ記載をみない背部に生じた乳房外Paget病の1例を報告した.患者は69歳,女性.5〜6年前,背部左側に紅斑性局面が生じ次第に周囲に拡大した.初診時9×7.5cm大皮膚面よりやや隆起した紅斑性局面であり腫瘤形成はなかった.全身諸検査で他臓器に悪性腫瘍は認められなかった.組織学的にはシアロ粘液産生能を示すPaget細胞が明らかな管腔を形成し,主に表皮内,しばしば表層の皮膚付属器内,一部真皮上層に増殖しており,真皮には原発巣と見做し得る増殖巣はなかった.電顕的にはPaget細胞に非分泌型細胞と分泌型細胞とがあった.Paget細胞の起源に関して若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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