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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻8号

1985年08月発行

文献概要

原著

von Recklinghausen病患者に生じた悪性神経鞘腫の1例—とくにNeurofibrosarcomaと考えられる症例

著者: 安田秀美1 熊切正信1 吉田哲憲2

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科教室 2北海道大学医学部形成外科教室

ページ範囲:P.699 - P.704

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 40歳,男性,von Recklinghausen病患者に生じた悪性神経鞘腫の1例を報告した.36歳時,頭頂部に腫瘤が初発,切除したが2度再発を繰り返した.40歳時,脊髄にも同様の腫瘍の発症をみ,42歳で死亡した.S−100蛋白酵素抗体法では,大部分の腫瘍細胞は陰性であり,その中に陽性細胞が散在してみられた.電顕でみると,前者はfibroblast様細胞,後者はSchwann細胞様細胞であった.広義のmalignant schwannomaには,Schwann細胞が主体となり悪性増殖を示すもの(狭義のmalignant schwannoma)と,本症例の如く,fibroblast様細胞が主に悪性増殖を示すもの(neurofibrosarcoma)の2種類があるのではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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