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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻9号

1985年09月発行

文献概要

原著

Nodular Fasciitis—A型肝炎およびAngioimmunoblastic Lymphadenopathyを伴った1例

著者: 石倉多美子1 網谷茂樹2 松本俊彦3

所属機関: 1公立石川中央病院皮膚科 2公立石川中央病院内科 3公立石川中央病院外科

ページ範囲:P.771 - P.776

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 66歳,男.A型肝炎とangioimmunoblastic lymphadenopathy (AIBL)を合併したnodular fasciitis (NF)の1例を報告した.39℃前後の発熱が数日続いた後に,右大腿に蜂窩織炎様の発赤と腫脹を生じ,7日後に37℃に解熱すると共に発赤・腫脹は減少し,そこの皮下にしこりが残った.しこりの組織像では,皮下脂肪組織内に膠原線維と異型性の強い線維芽細胞の増殖からなる細胞集団があり,一部に毛細血管増生と出血像がみられた.第25病日頃から右の顎下部やリンパ節腫脹を生じ,それらの組織像はAIBLに一致するものであった.臨床検査成績の異常としては白血球増加,肝機能検査値の異常,IgG, IgAの増加,赤沈亢進,CRP6(+)などがみられた.組織学的にNFとAIBLは異なるが,両者ともpseudomalignancyと考えられており,前者は炎症後の,後者は抗生剤投与後の強い組織反応によるものと考えられ,興味深かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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