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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻9号

1985年09月発行

文献概要

原著

皮膚症状により発症したB細胞性リンパ腫

著者: 亀山孝一郎1 堀内保宏1 竹崎伸一郎1

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.779 - P.784

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 皮膚症状にて発症し表皮角化細胞がHLA-DR抗原陽性を呈したB細胞性リンパ腫の1例について報告する.症例は82歳男子で昭和58年2月より右頬部に淡紅色の結節が出現した.腫瘤組織像にて腫瘍細胞は比較的大型のnon-cleaved cellで酵素抗体間接法ではB1陽性,S-IgM (λtype)陽性,HLA-DR抗原陽性を呈しB細胞性リンパ腫(lym—phoblastic type)と診断した.当初,表皮角化細胞はHLA-DR抗原陰性であったが,後に右額より採取した組織では陽性を呈した.放射線療法および化学療法施行し,一過性に皮疹消褪するも速やかに再発し,発症後約1年で肺炎にて死亡した.剖検所見上,舌,右唾液腺,胃,空腸,結腸,脾門部への臓器浸潤と右頸部および両側鎖骨窩リンパ節での腫瘍細胞の増殖を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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