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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻9号

1985年09月発行

文献概要

原著

Sebaceous Epithelioma—電顕的観察

著者: 山路和彦1 進藤泰子1 高橋省三2 諸橋正昭2

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科教室 2富山医科薬科大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.799 - P.803

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 66歳,男.約10年前より後頭部に腫瘤があり,漸次増大.組織学的,電顕的所見から,腫瘍細胞が脂質形成能を有することが確かめられ,腫瘍はsebaceous epitheliomaと診断された.電顕的検討では,脂質合成能は正常脂腺より低下しており,未分化な傾向の強い症例であった.さらに興味深い所見として,脂腺導管部にみられる角化と同様の角化態度が認められ,この腫瘍が脂腺細胞への分化だけでなく,脂腺導管部への分化の傾向をも示していた.これらの電顕所見から脂腺上皮腫は,脂腺腺腫,脂腺への分化を伴った基底細胞上皮腫,未熟な基底細胞上皮腫とは明らかに異なったentityをもつ脂腺腫瘍と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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