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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻9号

1985年09月発行

文献概要

原著

ヒト乳頭腫ウイルス感染が証明された広汎な黒褐色脂漏性角化症様皮疹の多発した1例

著者: 池川修一1 早坂健一1 石原和之1 中島孝2

所属機関: 1国立ガンセンター病院皮膚科 2国立ガンセンター研究所病理

ページ範囲:P.805 - P.810

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 71歳,女.約20年間にわたり,陰股部・肛門周囲を中心に,広汎に黒褐色脂漏性角化症様皮疹の多発した1例を報告した.組織学的には,hyperkeratosis, acanthosisおよびpapillomatosisよりなる病変で,軽度に異型性を伴いmelanocyteの増生を伴っていた.またABC法を用いた免疫組織学的染色により,表皮上層の空胞細胞の核内に一致して,papillomavirus genus-specific common antigenを証明した.自験例は,尋常性疣贅,epidermodysplasia verruciformis, giant condyloma acuminatum, Bowenoid papulosisなどと共通点はみられるものの,どの疾患とも異なり,過去に報告をみないヒト乳頭腫ウイルス感染症のひとつと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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