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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻9号

1985年09月発行

文献概要

原著

疣贅状表皮発育異常症(Epidermodysplasia Verruciformis, Lewandowsky-Lutz,1922)の同胞例

著者: 谷垣武彦1 欠田良児1 田代実1 佐藤健二1 松本和雄2 生塩之敏3 渡辺信一郎4

所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科教室 2大阪大学医学部精神医学教室 3大阪大学医学部脳神経外科教室 4大阪大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.811 - P.814

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 ヒトパピローマウイルス14型(HPV−14)が分離されたEV患者,27歳男(兄,EV1OS)の家系調査を行った.両親は近親結婚で同胞は姉弟の計3人で,その同胞3人共,疣贅状表皮発育異常症(EV)であった.尋常性疣贅様皮疹(VV)は同胞3人の他,母にもみられた.HPV易感染の存在がこの家系に窺われた.従って免疫,HLA抗原の検索を行った.その結果,姉兄に末梢リンパ球の機能異常がみられ,HLA抗原のうちDR4が同胞3人に存在した.それは母由来であった.その他兄姉何れもIQは小学校低学年のレベルで精神発達の遅延が観察された.この家系はHPVの水平感染によってEVが発症したと考えられたので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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