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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻1号

1986年01月発行

文献概要

原著

栄養障害性先天性表皮水疱症の1例

著者: 平本力1 狩野俊幸1 小堀幸子1 片山洋1 北島康雄1 矢尾板英夫1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.49 - P.53

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 先天性表皮水疱症の1例とその治療を報告した.症例は20歳,男性で,出生以来水疱の出現を繰り返している.臨床症状(瘢痕形成,稗粒腫形成,爪喪失,手変形など)および光顕的電顕的組織所見(dermolysis,anchoring fibril不明瞭化など)から,Hallopeau-Siemens型栄養障害性先天性表皮水疱症(generalized type,mutilans型)と診断した.本症例を,ジフェニルヒダントインおよびアスコルビン酸の投与で治療したが,前者は薬疹のため,後者は無効のため中止した.次いで,プロピオン酸クロベタゾール含有軟膏(デルモベート®軟膏)で治療し奏効を得た.対照とした白色ワセリン,ジプロピオン酸ベタメサゾン含有軟膏(リンデロンDP®軟膏),酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン含有軟膏(パンデル®軟膏)は臨床的に有効とはいえなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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