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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻1号

1986年01月発行

文献概要

原著

巨大脾腫を伴い,脾摘により軽快したサルコイドーシスの1例

著者: 谷口恭子1 梶谷ゆかり1 井上成史1 塚田篤子1 野田れい子1 古谷達孝1

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.55 - P.61

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 30歳,女性.昭和51年に発症し,臨床的にBHL,肺野病変,各所リンパ節腫脹,眼病変(虹彩癒着,網膜血管周囲炎),皮膚病変(紅色結節),巨大脾腫などを有し,組織学的に定型的サルコイドーシスの所見を呈した症例で,パルス療法を含む各種治療に抵抗し,かつpancytopeniaを併発したため脾摘術を施行した.摘出脾は重量2,420gで本邦最大,組織学的にも類上皮細胞性肉芽腫所見を呈し,サルコイドーシスによるものと診断した.脾摘後,pancytopenia, ACE, lysozymeを初めとする諸検査所見の正常化,肺病変,リンパ節腫大等の改善がみられた.脾腫を主症状としたサルコイドーシスの報告例は本邦では比較的少なく20例を数えるにすぎないが,それらについても若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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