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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻10号

1986年10月発行

文献概要

原著

Benign Lichenoid Keratosisの2例

著者: 山田政春1 尾花俊作1

所属機関: 1大阪回生病院皮膚科

ページ範囲:P.891 - P.895

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要約 Benign lichenoid keratosisの2例について報告する.症例1は日光露出部位(前額)に生じた単発性丘疹で,症例2は被覆部位(左側胸部)に生じた単発性の色素斑である.いずれも瘙痒などの自覚症状はない.組織学的には,2例とも真皮上層に苔癬化反応を示すことが特徴である.表皮の変化については,この2例では異なっており,同一ではない.たとえば,parakeratosis,acanthosis,epidcrmal exocytosis,Civatte body,liquefaction degenerationなどがみられるが,その程度は異なっている.この2例とも悪性腫瘍の既往がある(症例1:基底細胞腫,症例2:悪性黒色腫).この疾患は何らかの機序によって表皮に変化が生じ,その部位の表皮を排除するために生じた免疫反応ではないかと考えられる.日光はその原因の一つであり,症例1がそれに当たると考えられるが,症例2には当てはまらないと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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