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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻10号

1986年10月発行

文献概要

原著

von Recklinghausen病における神経原性悪性変化

著者: 高橋博之1 伊東佳子1 三浦俊祐1 前田和男1 嵯峨賢次1 加藤光子1 神保孝一1 草島勝之2

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科教室 2札幌医科大学胸部外科教室

ページ範囲:P.917 - P.925

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 von Recklinghausen病を基礎疾患とし,神経原性悪性変化を示した2症例を報告した.2症例共neurofibroma (NF)より発生したと考えられ,病理組織学的,免疫組織化学的および超徴構造的検索を施行した.免疫組織化学的には,1) S−100蛋白染色において,腫瘍細胞(Schwann cell)の悪性化あるいは低分化に伴う染色性の低下,2)β2microglobulin (β2MG)染色では腫瘍細胞の悪性化に伴うβ2MGの消失あるいは減弱化を認めた.超微構造的にはSchwann cellのbasal laminaの消失あるいは断続性を認め,良性腫瘍(NF, schwannoma)に比べ腫瘍構成細胞の鑑別が著しく困難であった.両症例共,neurofibrosarcomaに相当するmalignant peripheral nerve sheath tumorと診断し,免疫組織化学的方法が診断に有用であると考え,文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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