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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻11号

1986年11月発行

文献概要

原著

Fabry病の1例—酵素活性および電顕的観察

著者: 山中克二1 井上邦雄1 山田瑞穂1 佐野勉2 鈴木春見3 中川嘉洋4 清水貴子5 溝口功一5

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科教室 2静岡県立総合病院皮膚科 3静岡県立総合病院病理検査科 4静岡県立こども病院小児神経科 5浜松医科大学内科第一教室

ページ範囲:P.967 - P.971

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 15歳,男.幼少時より発汗が少なく,10歳前後より,運動時に両下肢の疼痛が出現した.疼痛は徐々に増悪し,某病院にて,肢端紅痛症の診断のもとに治療をうけたが軽快せず当科を受診した.胸部,陰嚢に被角血管腫が存在することから,Fabry病を疑い検索を行った.皮膚光顕像では真皮乳頭層に拡張した毛細血管を認め,電顕像で血管内皮細胞,周細胞,線維芽細胞,末梢神経周鞘上皮に特徴的な顆粒が認められた.酵素学的に血漿,白血球のα-galactosidase A活性が欠損しており,尿中に多量のCTH(ceramidetrihexoside),CDH(ceramide dihexoside)を検出した,また,水晶体,角膜の車輪状混濁も認められた.以上の所見より本症例をFabry病と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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