文献詳細
原著
文献概要
患者は63歳,男性.2週間前から全身の関節痛,筋肉痛,四肢の紅斑を訴える.検査所見ではGOT,GPT,ALP,LDH,γ—GTPの軽度上昇,HBs抗原定量値がR-PHA法にて5,120倍陽性を示した,皮疹部の生検像は多形滲出性紅斑型の組織反応であった.B型肝炎の診断に基づきHB抗原抗体値,GOT,GPT値,発疹を経時的に追った.その結果,発疹出現から消失まで18日間であり,ピーク時を過ぎると2〜3日で発疹は消褪し,発疹ピーク時より血清トランスアミナーゼ値が上昇し始め,第60病日頃には最高値となった.HBsおよびHBe抗原は初診時より陽性であったが,抗体は第80病日においても陰性であった.
掲載誌情報