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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻11号

1986年11月発行

文献概要

原著

特異な臨床像を呈するGeneralized Verrucosis—Etretinate(Ro10-9359)が奏効した1例

著者: 格谷敦子1 辻卓夫1 高橋邦明1 庄司昭伸1 濱田稔夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1047 - P.1052

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 症例:41歳男.15歳頃,前額に小さな疣贅様皮疹が1つ出現した.その後,皮疹は徐々に全身に拡大し,特に顔面,手に顕著となる.昭和46年当科を受診し,電気凝固法により両手など一部を残して切除するも,以後両手の皮疹は徐々に増大,融合して皮角様〜岩石様となり,全身には皮膚色〜黒褐色の扁平〜皮角様皮疹が散在する.組織像は尋常性疣贅および扁平疣贅に相当し,電顕的には角層および顆粒層の核内に多数のhumanpapillomavirus粒子が認められた.臨床検査では血清IgMの低値以外に異常はない.治療として,etretinate 50mg/dayを投与し,約2週目より主に手足の皮疹部の周囲に亀裂が生じ角質塊が脱落し,その部に硬い扁平な隆起を残すのみとなった.組織像では空胞細胞が残存していた.以後,etretinateを漸減し経過観察中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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