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原著
特異な組織所見を示したBowenoid Papulosisと思われる1例
著者: 木村俊次1
所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
ページ範囲:P.1117 - P.1120
文献購入ページに移動要約 22歳,女.約10カ月来,両側大小陰唇下半部から肛囲にかけて黒褐色疣状丘疹が散在多発し,一部融合局面をなす.夜間瘙痒あり.組織学的に丘疹・局面とも表皮の乳頭腫状増殖,上半部の壊死性変化,およびその下方に多核表皮巨細胞を混じ,核小体が明瞭化した層あり.PAP法にて乳頭腫ウイルス抗原陰性.一部にブレオマイシン局注を行うも,皮疹は全体的に自然退縮傾向を示し,初診6週後には略治した.本例は明らかなボーエン病様組織像は示さなかったが,多核表皮巨細胞を混じる層が上行すればボーエン病様となるであろうことを考慮してbowenoid papulosisと診断した.本例は,bowenoid papulosisが本来良性の乳頭腫であり,腫瘍上半部の壊死性変化に続いて一過性にボーエン病様組織像を示すという考え方を支持する症例と思われた.
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