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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻2号

1986年02月発行

文献概要

原著

慢性関節リウマチに随伴した下腿の巨大な壊死性潰瘍性病変

著者: 木村俊次1 禾紀子1 増田光喜1 倉持正雄1

所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科

ページ範囲:P.139 - P.144

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 34歳,男子,約5年来,四肢の関節痛とともに腋窩・臀部・四肢に水疱様〜潰瘍性病変が多発し,出没を繰り返す.約2年前左下腿に生じた水疱様病変が壊死性潰瘍性病変となって巨大化し,25×20cmの大きさとなる.臀部・足背・膝肘伸側などには対側性に膿疱様病変・潰瘍・瘢痕が多発する.臀部の膿疱様病変・下腿の潰瘍辺縁は組織学的に壊死・好中球浸潤・出血などを示すも,明らかな壊死性血管炎の所見はなく,螢光抗体直接法も陰性.検査成績では血沈中等度亢進,補体高値,RA・RAHAテスト陽性,抗核抗体陽性,ツベルクリン反応も強陽性で潰瘍化をみた.四肢関節X-PはRAに典型的.皮疹は抗生物質,DDSに不応,副腎皮質ホルモン剤内服に反応した.本例の皮膚病変は血管炎によって生じ,下腿の壊死性潰瘍性病変はそれに二次的修飾が加わったものと考えるのが最も妥当と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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