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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻2号

1986年02月発行

文献概要

原著

Etretinate外用・内服療法が奏効したKyrle病について

著者: 花田裕子1 花輪純子1 花輪滋1 森嶋隆文1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.157 - P.163

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 Etretinateの外用ならびに内服療法が奏効したKyrle病の80歳,女性例を報告した.自験例で興味ある所見は次の通りである.1)定型疹は4,5mm〜6,7mm,ときに10mmの中央に黒褐色の角栓をいれる丘疹ないし結節である.2)初発疹は白色の角化物を有する小丘疹と考えられた.3)本症の特徴的所見とされる疣贅様角化局面はetretinateのODT療法の経験から角栓を有する丘疹の集簇からなることを明らかにした.4)組織学的に角栓内のcellular debrisは角栓の表皮内穿孔がかつて生じたことを示唆する所見と解された.5) Etretinateの外用や内服療法が奏効したことから,本症はelimination diseaseではなく.角化異常症であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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