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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻2号

1986年02月発行

原著

電撃傷皮膚の病理組織学的観察

著者: 青島敏行1 桜井みち代1 藤田研一2 坂梨四郎2 三谷恒雄3

所属機関: 1大津赤十字病院皮膚科 2大津赤十字病院第3外科 3京都大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.185 - P.189

文献概要

 27歳,男子,電力会社職員の7万ボルトの電線接触による電撃傷を報告した.顔面,左上肢および背腰部の一部を除くほぼ全身(70%)に黒色焼痂が存在し,蒼白,黄色,赤色調の部位もみられ,皮疹は右半身に高度である.病理組織像は,HE染色では表皮,毛嚢細胞の核延長,血管壁の核消失.汗腺細胞の不明瞭化がみられ,膠原線維は断裂,破壊,離開し偏光で赤橙色に光る.Elastica-van Gieson染色では膠原線維は暗赤褐色を呈し,弾性線維は断裂,走行の乱れを示し血管壁では不明瞭である.PAS染色では基底膜,血管壁は強陽性:汗腺周囲も陽性,表皮,汗腺細胞は陰性,毛嚢は一部染まるのみ,膠原線維は偏光で銀白色の光輝を発した.SCALDS scoreは19点で重症熱傷に入るが,輸液,輸血,減張切開,外用療法,植皮等により救命しえた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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