原著
Hydroa Vacciniformeの4例
著者:
川田暁1
御藤良裕1
近藤靖児1
佐藤吉昭1
所属機関:
1東京医科歯科大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.331 - P.335
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Hydroa vacciniforme (以下HV)4例の背部皮膚に,340nm単色光を反復照射し,皮疹の誘発を試みた.症例は,1)8歳男児,2)10歳女児,3)6歳女児,4)12歳女児の4症例で,いずれも家族歴に特記すべきことなく,うち3例について検索したポルフィリン体は血中・尿中ともに正常であった.光線テストは教室の単色光発生装置を用いて,波長340nmの単色光を,症例1に20,症例2に16,症例3に14,症例4に20J/cm2を,それぞれ背部の同一部位に連日照射した.その結果,照射部位に一致して症例1(総量80J/cm2)・症例2(同81)・症例4(岡59)では紅斑・小丘疹の,症例3(同41)では紅斑・小水疱の出現をみた.症例3,4の病理組織像は,表皮内の多房性水疱であり,HVの組織像と一致した.即ちUVA (340nm)の反復照射によって,自験4例のうち2例は組織学的にHVと一致する皮疹の誘発がみられた.