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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻4号

1986年04月発行

文献概要

原著

原発巣が完全消褪した悪性黒色腫の1例

著者: 村松千鶴子1 小林まさ子1 藤田優1

所属機関: 1千葉大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.363 - P.366

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 40歳,女性,2カ月前より左鼠径リンパ節が腫大し,2週間前,近医を受診し,摘出術施行後来院.6年前,左臀部に灰黒色小腫瘤が出現し,1年前より縮小褪色しているとのことであった.組織学的に,リンパ節では悪性黒色腫の転移像が認められ,左臀部色素斑では,真皮上層に多数のmelanophageとリンパ球浸潤,小血管の増生がみられるが,melanoma cellは認められなかった.他の全身皮膚,粘膜,直腸,S状結腸,腟,子宮に異常所見はなく,左臀部の小腫瘤が原発巣と考えられた.原発巣が消褪し,所属リンパ節転移を生じた悪性黒色腫の1例を報告するとともに,悪性黒色腫の原発巣の自然消褪例について,若干の文献的考察を試みたので,加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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