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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻5号

1986年05月発行

文献概要

原著

4種類のヒトパピローマウイルスが分離された疣贅状表皮発育異常症

著者: 谷垣武彦1 欠田良児1 湯通堂満寿男2 羽倉明2 玉置弘光3 石田稔3 堀哲二3 西山謹司4 長谷川順吉5

所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科教室 2大阪大学微生物病研究所腫瘍ウイルス部門 3大阪大学医学部耳鼻咽喉科教室 4大阪大学医学部放射線医学教室 5大阪第二警察病院外科

ページ範囲:P.441 - P.444

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 典型的な疣贅状表皮発育異常症(EV)の患者(37歳,男性)(EV 2 OS)の皮疹から4種類の異なるヒトパピローマウイルス(HPV)を分離した.それらは,癜風様皮疹からはHPV−17,20と38の3種類,扁平疣贅様皮疹からはHPV−3の計4種類であった.本患者は皮膚悪性腫瘍が多発し不幸な転帰をとった症例で,眉間に再発した有棘細胞癌の組織中に,分離された4種類のHPV DNAの一つが検出された.EVにおけるHPVの多様性と発癌は極めて密接な関連があり,興味ある症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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