icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻8号

1986年08月発行

文献概要

原著

汎発性銀皮症の1例

著者: 稲田修一1 酒井伊勢子2 功野泰三1 浜田光恵1 島本順子1 満田邦枝3 灰塚省二郎3

所属機関: 1県立広島病院皮膚科 2広島大学医学部皮膚科教室 3吉田総合病院内科

ページ範囲:P.719 - P.723

文献購入ページに移動
 汎発性銀皮症の1例を報告した.患者は58歳,女性.初診の約15年前より連日口腔清涼剤を大量に服用し,服用約5年後より露光部皮膚が青色調を呈してきた.初診時,全身の皮膚は軽度に青灰色調を呈していたが,顔面,爪甲半月ではその色調は著しかった.生検皮膚組織では黒色微細顆粒が主に汗腺,毛嚢周囲,血管壁,solar elastosis部に多数沈着しており,これは暗視野顕微鏡下で光り輝き,電顕的には長径100〜300nmの類円形,不整形の電子密度の高い顆粒として観察され,X線微小分析により銀を含有していることが証明された.露光部,非露光部皮膚の光顕的,電顕的対比から,露光部の著しい色素増強は主に沈着した銀顆粒の量的差によると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?