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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻9号

1986年09月発行

原著

全身性エリテマトーデスに合併したSubcorneal Pustular Dermatosis(Sneddon-Wilkinson)の1例—Etretinate内服療法を中心として

著者: 佐々木聰1 大田ゆみ1 葛西邦博1 末木博彦1 藤澤龍一1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.797 - P.801

文献概要

 23歳,女.昭和57年よりSLEに対しprednisolone内服療法中,昭和59年11月より鱗屑を伴った紅斑が出現し,次第に辺縁に膿疱を伴うようになった.昭和60年2月,皮膚生検を施行し,臨床および組織所見よりsubcorneal pustular dermatosis(SPD)と診断した.最初,sulfapyridine内服療法で軽快したが,副作用出現のため中止.次いで,etretinate内服療法を行い著効を示したが,初期導入量は,0.5mg/kg/日と一般的使用量の半量であった.SPDの病因については自己免疫学的機序に基づくとの考えもあり,Krogh & Tonderは膿疱蓋にimmune complexの沈着を見出している,Immune complex diseaseの代表的疾患であるSLEとの合併例は,Saulsburyらが1例を報告しているのみであり,本邦では未だないが,この合併は偶然の一致ではなく,SPDの病因を解明する上で,意義があるように思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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