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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科40巻9号

1986年09月発行

文献概要

原著

Borrmann3型胃癌を合併したCutaneous T-cell Lymphoma—剖検例

著者: 田中律子1 鈴木伸典2 那須輝史3 濱田稔夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室 2市立吹田市民病院皮膚科 3市立吹田市民病院内科

ページ範囲:P.809 - P.813

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要約 進行胃癌を合併したcutancous T-cell lymphoma(CTCL)の1例を報告した.症例は76歳,男.約6カ月前より,体幹・四肢に散在性に生じた瘙痒性浸潤性丘疹のため皮膚科を受診した.病理組織学的に異型性の著しいリンパ球が表皮および真皮に浸潤し,Pautrier微小膿瘍を形成する.末梢血中,リンパ節,骨髄,肝,肺等に異型リンパ球の浸潤は見られない.PAP法にて腫瘍細胞はinducer/helper T-cellと思われ,CTCLと診断した.皮疹発生より約10カ月後,胃内視鏡にてBorrmann 3型胃癌が発見された,剖検にて化学療法による悪性リンパ腫の治癒後状態と,胃癌およびその肝転移が確認された.胃癌の発生に対して,悪性リンパ腫による免疫能低下が関与したものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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