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Pilomatricoma15例中5例にbasophilic cellsからsquamoid cellsへの移行がみられた.そのうち4例ではsquamoid cellsの部分からepidermoid keratinizationといえる角化が生じており,4例中3例にsquamoid cellsの胞体内にケラトヒアリン顆粒がみられた.5例中1例にはsquamoid cellsの胞体が膨化する形で角化しており,trichilemmal keratini—zationを思わせる.15例中1例に異物反応の強いものがあり,その中央に同心円状の角質塊があり,squamoid cellsより形成されたと思われる.他の15例中の9例にはbasophiliccells, shadow cells,骨形成,異物肉芽腫などがさまざまの割合で見られたが,squamoidcellsは見られなかった.Squamoid cellsはかなりの割合で見られることから,pilomatri—comaの診断に当たってはbasophilic cells, shadow cells,骨化所見の3つ以外にもsqua—moid cellsの有無を日常的に取り上げるべきであると考えた.
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