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原著
皮膚Lupus Erythematosusを合併したGeneralized Morphea
著者: 木村俊次1
所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
ページ範囲:P.779 - P.784
文献購入ページに移動 両上肢にほぼ対側性に,初め紅斑性皮疹,のち一部に紅斑を伴う硬化性局面を来し,組織学的に表皮〜真皮上層がLE,真皮中層〜皮下組織がmorpheaに一致する所見を示した39歳家婦例を報告した.本症例の血清自己抗体は検索の限りではすべて陰性であったが,皮疹の発生部位や臨床症状はgeneralized morphea (GM)の定義に合致する.一方,紅斑の組織の上半部がLEに一致すること,紅斑の一部に軽度の鱗屑と萎縮性変化をみること,および日光照射にて紅斑の増悪をみることから,紅斑は皮膚LEに属するものと考えられるが,DLEとしては非定型的である.DLEとmorpheaとの合併例のこれまでの報告例には,いずれも臨床的にもDLEと診断される紅斑性皮疹を合併している点で,本症例とはやや趣を異にする.この他,深在性エリテマトーデスや薬剤誘発LEとの鑑別についても触れた.
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