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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻11号

1987年10月発行

原著

特発性斑状皮膚萎縮症—電顕的,免疫組織化学的観察

著者: 宮本亨1 宮本二郎1 西浦清一2 神戸直登2

所属機関: 1津山中央病院皮膚科 2鳥取大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.845 - P.848

文献概要

 29歳,男性.自覚症状のない一部紅斑を伴う米粒大から拇指頭大の斑状萎縮斑が両上背を中心に散在性に多発した.HE染色では真皮血管周囲に軽度リンパ球浸潤を認める以外著変なく,Weigert染色では真皮網状層において弾力線維の消失を認めるが,真皮乳頭層にはほぼ正常の弾力線維が存在した.以上よりJadassohn型特発性斑状皮膚萎縮症と考えた.電顕的には真皮乳頭層においてほぼ正常のoxytalan fiberとelaunin fiberを認めたのに対し,真皮網状層ではelastic fiberはもちろん,その細線維も認めなかった.また抗serum amyloid P component抗体とNKH−1を用いた免疫組織化学では,電顕所見と同様に真皮網状層では,陽性に染まる線維成分を認めなかった.これらの所見より本症の病変は真皮網状層におけるエラスチンと細線維に生じるのではないかと推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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