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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻11号

1987年10月発行

原著

尋常性疣贅からTricholemmal Keratosisへの移行を思わせた1例

著者: 木村俊次1 繁益弘志1

所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科

ページ範囲:P.867 - P.871

文献概要

 20歳,男子の後頭部に単発した乳頭腫の1例を報告した.組織学的に並列U字型およびV字型の上皮増殖を示し,顆粒層付近の核周囲の空胞化やケラトヒアリン顆粒の粗大化など尋常性疣贅に一致する部分から,ケラトヒアリン顆粒が欠如し,trichilemmalkeratinizationと区別できない角化様式を示す部分まで,種々の段階の組織所見を示した.PAP法では尋常性疣贅に一致する組織所見を示した部分にのみ,少数散在性に上皮核に一致する乳頭腫ウイルス抗原を認めた.以上の所見から本例は,尋常性疣贅からtricholemmal keratosisへの移行を示した症例と考えられ,同時に,tricholemmal kera—tosisが尋常性疣贅に由来しうることを支持する一つの好例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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