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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻11号

1987年10月発行

原著

リンパ節転移を伴ったTrichilemmal Carcinomaの1例

著者: 荒政明1 渋谷真理子1 松本光博1 飯塚一1

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.893 - P.896

文献概要

 72歳,女性.初診の約6年前に,左大腿外側に軽度の瘙痒を伴う赤色丘疹が出現.徐々に増大し,初診時には3.5×3.7×1.0cmの暗赤色腫瘤となった.生検時の組織像は,分葉した大小の胞巣からなる上皮性腫瘍で,一部で毛嚢および表皮と連続し,中心部には好酸性無構造の壊死像を認めた.細胞は大型で細胞質が明るく,PAS陽性物質を含み,異型性が強く,多数の核分裂像も認められた.Trichilemmal carcinomaの診断のもとに広範囲切除術を施行したが,術後6カ月目に左鼠径リンパ節に転移したため,当該リンパ節を切除し経過観察中であるが,現在再発および他部への転移は認めていない.自験例を報告するに当たり,いわゆるtrichilemmal carcinomaにおける外毛根鞘性角化について,若干の文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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