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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻12号

1987年11月発行

文献概要

原著

インターフェロン局注によりHSV抗原の消失と腫瘤の退縮を認めた開口部形質細胞症の1例

著者: 中島澄乃1 内藤勝一1 森岡眞治1 岩原邦夫1 小川秀興1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1011 - P.1015

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 74歳,女性の陰部に生じた開口部形質細胞症の1例を報告した.自験例では,典型的な病理組織像の他に,螢光抗体法直接法にて,病変部表皮上層にherpes simplexvirus (HSV)抗原を認めた.5年前より副腎皮質ホルモンの局注,外科的療法,冷凍凝固療法等を反復施行するも再発を繰り返すため,今回,インターフェロンαの局注を試みた.その結果,腫瘤の著明な縮小を認め,同時に扁平化した病変部では,螢光抗体法でHSV抗原の消失を認めた.以上より,本症例では,治療としてインターフェロンαの局注が極めて有効であったこと,また本症の成因としてHSV感染が関与している可能性が示唆されたので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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