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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻13号

1987年12月発行

原著

薬疹の統計的観察—横浜市大皮膚科の最近8年間における統計

著者: 相原道子1 宮川加奈太1 内藤静夫1 大沢純子1 斎藤すみ1 北村和子1 池澤善郎1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1045 - P.1051

文献概要

 横浜市大皮膚科の1978年から1985年までの8年間における薬疹について統計的観察を行った.患者数は833名で同期間の新患総数の1.58%を占め,1973年の当科統計の1.54%と比較して増加していない.年齢別では50歳台の増加が目立つ.臨床型では発疹症型が増加し,約半数を占めるが,全体としていろいろな臨床型の薬疹がみられる.原因薬剤は抗生剤が最も多く,なかでもセフェム系による薬疹が増加している.臨床型と原因薬剤はある程度の関係がみられるものの一定していない.肝障害は薬疹患者全体の5.3%に合併しているが,大部分は軽症である.投与開始より発症までの期間は発疹症型で2週未満のものが多く,苔癬型では4週以上のものが多い.皮膚試験成績では貼布試験で26.0%の,皮内試験で79.5%の陽性率を示す.紅皮症型,発疹症型,多形紅斑型の陽性率が高く,原因薬剤としては抗生剤の陽性率が高い.以上,最近8年間の薬疹の統計に若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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