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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻13号

1987年12月発行

原著

原発巣が完全自然消褪した悪性黒色腫の小児例

著者: 柴田明彦1 森嶋隆文1 花輪滋1 長島典安1 深田栄俊1 兼松秀一1 鮫島俊朗1 鈴木秀明1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1103 - P.1107

文献概要

 原発巣が完全消褪した悪性黒色腫の13歳,女子例を報告した.初診1カ月前,左大腿上内側部の有痛性腫瘤に気付き,初診前日他医で切開術を受け,黒色腫瘤であったため当科を紹介された.切開創部からの滲出液中5—S-CD値は高値で,大腿部腫瘤は黒色腫の転移巣であることが示唆された.唯一原発巣と思われた左膝の黒色色素斑にメラニン産生細胞はなく,メラノフェージをみるのみであった.左大腿腫瘤は,螢光法的にも,病理組織学的にも黒色腫のリンパ節転移であった.術後低値を示していた尿中5—S-CD値は,術後5カ月頃から異常値となり,広汎な転移が予測され,放射線学的にこれを確認し,初診10カ月後死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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