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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻13号

1987年12月発行

文献概要

原著

胃癌を合併したAdult T Cell Leukemia

著者: 茶之木美也子1 濱田稔夫1 巽純子2

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室 2大阪市立大学臨床検査医学教室

ページ範囲:P.1109 - P.1112

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要約 58歳,男,愛媛県出身.全身倦怠感,呼吸困難,瘙痒性皮疹のため入院した.胸部・背部皮膚に紅色から褐色の丘疹が播種状に存在し,両側胸水,軽度肝脾腫を認めた.末梢白血球数10万/mm3,flower cell 87.5%,血清Ca 10.9mg/dl,ATLA抗体 2,560倍,proviral DNA陽性で,染色体異常も認められた.胃透視と胃内視鏡でBorrmannⅡ型の胃癌(tubular adenocarcinoma)が確認された.ATLに対する化学療法を行ったが,患者は3カ月後に下血のため死亡した.背部の丘疹の組織像は,HE染色で真皮の血管,毛包,汗器官周囲に小型から中型の異常細胞が密に浸潤していた.Epidermotropismはなく,浸潤細胞はLeu 1(+),Leu 4(+),Leu 3a+3b(+),Leu 2a(—)でヘルパー・インデューサーサブセット抗原をもつ細胞が主であった.ATLによる細胞性免疫不全状態が胃癌の進展に影響を及ぼした可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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